bibliobibuli / ビブリオビブリ
Bibliographic Details
- Title
- bibliobibuli / ビブリオビブリ
- Author
- Shinzo Shimao & Tokuko Ushioda / 島尾伸三 & 潮田登久子
- Translator
- Futoshi Miyagi / ミヤギフトシ
- Designer
- Ryosuke Saiki / 佐伯亮介
- Director
- Osamu Kushida / 櫛田 理
- Images
- Tokuko Ushioda / 潮田登久子
- Publisher
- TOSHO PRINTING CO., LTD. / 図書印刷株式会社
- Year
- 2024
- Size
- w148 × h210 × d10mm
- Weight
- 300 g
- Pages
- 128 page
- Language
- Japanese / English , 日本語 / 英語
- Binding
- Hardcover / ハードカバー
- Edition
- Limited Edition of 2500 copies / 限定2500部
- Condition
- As New / 新品
- ISBN
- 978-4-910462-158
Sales Cooperation by 無印良品 MUJI BOOKS / Printing and Binding by TOSHO PRINTING CO., LTD. 図書印刷株式会社
わたしは
彼女の写真のなかで
本を読んできました。
ーーー島尾伸三
本書は、私家版ウシマオダから発刊された『本の景色 bibliotheca』(2017) と『ビブリオテカ 本の景色「撮影ノート」』(2021) の二冊を統合再編集し、『本の景色 bibliotheca』では未収録だったものを含む全40点の写真にそれぞれ島尾さんのコメンタリーをつけて、日英対訳版として刊行したものです。
この本をつくるきっかけとなったのは、じつは包装紙でした。2022年の1月頃、FRAGILE BOOKSの立ち上げ準備中に「本を贈るときの包み紙がほしい」と思い立ち、潮田登久子さんがライフワークとして撮影していた「本の景色」の包装紙プランが突如として浮上し、ちょうど同時期に西麻布のPGIで「マイハズバンド」の展覧会をしていた潮田さんを突撃してご相談したのでした。
潮田さんは微笑みながら「広がりがあって面白いね。ぜひ」とお許しくださり、おふたりの飾らない人柄にも魅せられて、その場で「本づくり」についてもご相談してしたのがはじまりです。
その後、取材とお打ち合わせで、何度もご自宅を訪問しました。その度に、潮田さんは2階から重いアーカイブBOXを運んでくださり、プリントを眺めながら、島尾さんが語りだすウソかホントかわからない雑談に心を奪われました。本書では、潮田さんの写真いちまい1枚に島尾さんのコメンタリーをつけ、これまで明かされたことのない、パーソナルなエピソードが存分に散りばめて、島尾さんの父の島尾敏雄、母の島尾ミホのおもかげも感じられる仕立てになりました。
わたしたちがこの本をどうしても作りたかったのは、潮田さんがライフワークとして撮りつづけてきた「オブジェとしての本」の舞台裏で、夫の島尾さんが登久子さんの写真だけをたよりに「本を読む」ことを続けてきたことが極めておもしろかったからです。この本には、ふたりだけの本の景色がひろがっています。
巻末には、『ビブリオテカ 本の景色「撮影ノート」』へのオマージュとして、本好きのための雑学たっぷりの脚注頁を設けました。本にまつわる言葉のほかに、島尾さんが普段どんな手法で潮田さんの写真の中の本を読んでいるのか、を体験してみてください。
私たちは写真展や本を作る作業の中で、プリントした画像に勝手なあだ名をつけました。その方が番号を使っているよりも話が早く通じるからです。この本は、そんな私たち二人の本です。人の写っていない冷蔵庫の写真に持ち主たちの人柄を感じるように、「本のある景色」とそこに潜む歴史や物語から、時代や登場人物たちの息吹を感じてもらえると思います。そして、いかに私たちが写真を楽しんでいるかをです。
(同書 まえがきより抜粋)
この本のハード面では、BONBOOKシリーズではじめて小口染を採用し、潮田さんが被写体としてきた「オブジェとしての本」に寄せました。印刷製本は、出版レーベルBONBOOKを発行する図書印刷株式会社。本書はBONBOOKとして15冊目の刊行にあたり、これまでに漫画家の高野文子さん、詩人の平出隆さん、FRAGILE BOOKSのロゴもデザインした服部一成さんなど、ジャンルを超えてさまざまな著者を迎えています。
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潮田登久子 / Tokuko Ushioda
1940年、東京都生まれ。桑沢デザイン研究所で、石元泰博、大辻清司に師事し、1963年に卒業。写真家の道に進む。1966年から1978年まで桑沢デザイン研究所及び東京造形大学で写真の講師を務める。1975年頃よりフリーランス。主な受賞歴は、『本の景色/BIBLIOTHECA』シリーズ(2018年)で土門拳賞、日本写真協会賞作家賞、東川賞国内作家賞、桑沢特別賞。最新著書は『マイハズバンド』torch press(2022年)。
島尾伸三 / Shinzo Shimao
1948年生まれ。奄美大島で育つ。1974年東京造形大学部写 真専攻科卒業。 1978年潮田登久子と結婚。ともに、中国。香港の庶民生活のリポートを始めて今日にいたる。 著書に『季節風』、『生活』(ともに1995年)『まほちゃん』(2004年)『中華幻紀 WANDERING IN CHINA』(2008年)などがある。