原色図説 錦鯉大鑑

Bibliographic Details

Title
Genshoku zusetsu Nishikigoi taikan / 原色図説 錦鯉大鑑
Author
小池寿幸
Publisher
Pet life sha / ペットライフ社
Year
1973
Size
h305 x w215mm
Weight
850g
Pages
152 pages
Language
Japanese / 日本語
Binding
Hardcover / ハードカバー
Condition
Binding has partial loss and burning. / 装丁の部分的な欠損や焼けあり

福耳の尾びれと
錦鯉五十六匹 原色図説

意外と知られていない事実のひとつだが、FRAGILE BOOKSアトリエのすぐ近くに「目黒錦鯉センター」がある。錦鯉を一匹から販売しており、オンラインサイトでは一匹づつダテ(模様)について詳しい解説がある。池のあるような邸宅を持ったことがないために、なかなか足が向かないが、奥深い世界であろうことを想像して楽しんでいる。

さて、この本の銘鯉「紅白」が紹介されているP33の左上には、錦鯉の尾びれのような福耳が。小さいけれど、立派なかたちで進みたい方向にしっかりと舵を切ってくれそうな尾びれである。

戦後、高度経済成長を遂げた日本は、庶民の生活水準が格段に上がった。裕福であれば戸建ての住宅を持ち、庭に池をつくり、そこに錦鯉を泳がせるのを日常のたのしみとして取り入れる人も出てきた。もともとは江戸時代に大名や貴族に限られた趣味だったが、今では一般家庭でもベランダや室内で育てる人が増えているそうだ。錦鯉は「泳ぐ芸術」とも称され、国外でも日本庭園と並んで人気が高い。多くの人がその美しさと優雅さに魅せられ、虜になっているが、実は飼育者の相当な努力と技術によって、その美しさはさらに引き出されるそうである。手をかけることで、体形や肌艶、班絞の良い銘鯉を育てあげることが、錦鯉愛好家にとっての最大の魅力であり、挑戦でもあるのだとか。

本書は、そんな錦鯉の魅力をあますことなく伝える一冊だ。著者の小池寿幸は、専門家ではなく、錦鯉を心から愛する一愛好家のひとりとして執筆している。自身の経験と錦鯉への愛が随所に感じられ、いわば「趣味本」の大傑作。まるで紙の上を泳いでいるかのように美しい56匹の銘鯉の写真とともに、「我が鯉の素晴らしさを自慢させてくれ!」と言わんばかりに事細かにそれぞれの鯉について語っている。さらに、水の管理方法やエサの与え方、病気対策という飼育のコツをイラストと交えながら丁寧に解説。錦鯉についての資料が少ない中、愛好家やブリーダーにとって貴重で実用的な資料であることは間違いない。本書中「われは誰よりも誰よりも錦鯉を愛す」と書かれているように、著者の単なる趣味を超えた、錦鯉に対する熱烈な愛情を感じられることを約束しよう。

«目次»
推薦文 / 小坂善太郎 序文 / 金子忠雄
第一章 鑑賞の基本(見方)
第二章 銘鯉の見どころとその解説
第三章 解剖と生理
第四章 池の作り方
第五章 水作り
第六章 餌とあたえ方
第七章 
第八章 
第九章 
第一〇章 
第一一章 
第一二章 
第一三章 
著者あとがき


小池寿幸
大正5年10月1日、大分県別府市浜脇町浜脇病院長小池親鑑(俳人、句誌ホトトギス同人、句誌"紫苑”主宰)の長男として生まれる。東京慈恵医科大学卒、軍医として北支に出征、終戦後ソ連に抑留され、満4年3ヶ月後復員、九州大学大学院に入り学位を受ける。大分県臼杵市に小池病院を開設、今日に到る。錦鯉の飼育は昭和35年頃からで、全日本愛鱗会の総合優勝(43年)、全日本錦鯉振興会総合優勝(46年)の他多数の優勝銘鯉を所有。晩年は全日本愛鱗会副会長として全国的に活躍した。

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