Tintoretto | ティントレット

Bibliographic Details

Title
Tintoretto (Jacopo Comin)
Artist
Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
Year
2023
Size
h510 × w365 mm
Materials
Plant Dyed Paper, Indigo/ Chestnut / 草木染紙 藍・栗
Edition
Unique
Condition
New

Includes booklet explaining the work, paper magnetic frame, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、紙製のマグネット式フレーム、保管用カルトン付き

どんなものにも、
居心地のよい場所がある。
ティントレットのように。

日本で開催されるヴェネツィアにまつわる展覧会で、いつもついでのように展示されているティントレット(Tintoretto / 1518-1594)の絵が正直好きではなかった。巧みさや魅力で言えばティッチアーノの方が優っているように思え、ティントレットの絵はいつも仄暗くギスギスしているような、とても色彩のヴェネツィア・ルネサンスとは思えないな、と首を傾げていた。

その思いはヴェネツィアにあるマドンナ・デッロルト教会 (Chiesa della Madonna dell'Orto)を訪れ一転する。作品は好きでないはずなのに、本で知るうちにティントレットの人となりが気になり、彼が愛し、制作を捧げ、今も眠るその場所に赴きたくなった。

日本にいると美術館で観ることが当たり前になってしまっている西洋絵画。少なくともティントレットの絵に対して、それは本来の向き合い方ではなかったことに、ハッとした瞬間だった。

飾られるべき場所のその光の中にある姿が一番美しいことは当たり前のはずなのに、体感しなければきっと一生気がつかなかったのだと思うと恐ろしい。芸術作品だけに限らず、どんなものにもあるべき場所がある。それが一番美しく、居心地よく見える場所。ティントレットの絵が教会のあの壁にある景色を忘れずに覚えておくために、持ち帰れないその瞬間を一枚の紙で模すことにした。


Text by Rivotorto Pieces


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<参考文献>
◇ 塩野七生『ヴェネツィア物語』(新潮社)
◇ 市口桂子『ヴェネツィア・ミステリーガイド』(講談社)
◇ 宮下規久朗『ヴェネツィア――美の都の一千年』(岩波書店


【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。

【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
 ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。

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フラジャイル博覧会

Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
展示アーカイブを見る

Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。



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